08/03/30

2008年3月

私の祖母は57歳でパーキンソン病が発症し17年間、運動障害などで苦しめられました。

少しでも症状を改善したいと、住んでいた岐阜から、西にいい鍼灸があれば西へ飛び、東にいい東洋医学があると聞けば東に飛び・・・と、祖母も家族も大変だったのを覚えています。

そういう姿を見ていたからでしょうか、難病を抱えている患者さんの手助けが少しでもできれば。という気持ちを持ってカイロプラクティックを選びました。

そんな特別な思い入れのあるパーキンソン病。患者さんで診る機会があったので、カイロプラクティックでどうにか出来ないかと、いろいろ調べてみました。

まずはEBM(evidence-based medicine)について調べました。EBMとは「根拠に基づいた医療」という意味で、過去の論文や臨床研究などを研究し、それが本当に科学的根拠のあるものなのか。を調べたものです。

雑誌Neurology(Neurology 66; 976-982, 2006)によると「パーキンソン病治療薬として有名なL-Dopaは「病初期の治療として有用で、病状の進行を促進させることはない。ただし、神経保護作用は9ヶ月までの検討であり,長期的神経保護作用は証明されていない」と書かれています。その他にも「ビタミンEは対処療法として進められない。」「L-Dopaの治療開始を遅らせられない。」や「coenzymeQ10は神経保護作用はない。」などがEBMに基づいているそうです。

ではカイロプラクティックや他の代替医療はどうでしょう。
残念ながら鍼治療(東洋医学)とともに「充分なエビデンスなし」に該当します。
この報告をみるとカイロプラクティック治療では効果がないと思うかもしれません。ただ注意して欲しいのは「効果がない。」ではなく、「科学的に証明する研究論文が少なすぎる」という状態だということです。つまり、「非科学」的治療法ではなく「未科学」的治療法と呼ぶべきでしょうか。

実際にカイロプラクティックとパーキンソン病治療の論文は少なく、論文検索のPubMedで[chiropractic Parkinson]で調べたところElster EL.というカイロプラクターの論文しか出てきませんでした。

その論文の中身は・・・

パーキンソン病患者に対する上部頚椎カイロプラクティックマネジメントの症例報告

60歳男性 53歳の時、パーキンソン病を発症。所見として左下肢の筋拘縮、安静時振戦、不明瞭言語、記憶障害を伴っていた。 エックス線で上部頚椎のサブラクセーション(関節機能障害)を確認。9ヶ月にわたって上部頚椎のアジャストメント(関節マニピュレーション)を行った。神経生理学的には傍脊柱デジタル赤外線撮像をした。結果、客観的、主観的ともに改善がみられた。
PMID: 11050615 [PubMed - indexed for MEDLINE]
J Manipulative Physiol Ther. 2000 Oct;23(8):573-7.

といった内容です。
これはカイロプラクティック治療で改善がみられるという興味深い論文です。

では、次回はパーキンソン病に対するカイロプラクティック治療についてもう少し詳しく書きたいと思います。

柴田 泰之(スパイナルケア)

Posted at 08,03,30
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