
急激な動作による「ぎっくり腰」や慢性的な腰の張りや痛みなど、さまざまな腰痛を経験された方が多いと思います。ひと昔前ではほとんどが「加齢とともになるもの」と考えられていた腰痛ですが、昨今では20~30代にも見られるようになりました。もはや日本人の国民病ともいえる腰痛。ではなぜ腰痛が多いのでしょうか?
直立二足歩行と重力
腰痛と切っても切れない関係にあるのが、人間の直立二足歩行と重力の関係です。
四足動物と異なり、人間の背骨には「背骨を圧縮する方向」に重力がかかります。その結果、腰に対しては上半身の重みが常にかかっていて、圧迫される構造になってしまったのです。
縁の下の力持ち?!
では、直立二足歩行により負担が増した腰を支えているものは何でしょうか?それは筋肉です。
筋肉は立っていても座っていても常に使われ、「働き者」であるがためにちょっとくらいの疲れだと気がつきません。いわば「縁の下の力持ち」として黙々と頑張っているのです。
関節を助ける筋肉の働き
お話してきたように、腰や骨盤には体重という大きな負担がかかっています。これが続くと腰の関節には圧迫が加わり、圧迫され続けた関節はやがて動きが悪く、錆びついたようになってしまします。腰を動かす筋肉は、動かしづらくなった関節を動かそうと、今まで以上に頑張らなければなりません。
体が悲鳴をあげるとき
このように負担がかかっても頑張っている腰は、どこかで限界を超えてしまいます。急に重たい物を持ち上げたり、クシャミをしたりなど腰に大きな力がかかって急激に痛めるのがいわゆる「ギックリ腰」=「急性腰痛」です。
急なきっかけがなくても、日頃の負担が限界を超えてしまい、なかなか回復しない状態になったのが「慢性腰痛」です。いずれの腰痛でもすでに腰には相当な負担が蓄積していたために起こっているのです。
カイロプラクティックは腰痛ケアの名人
マッサージや鍼、電気療法など様々な腰痛ケアがありますが、なかなか根本的な改善が見られないこともあります。これは、筋肉が疲労した原因である関節の働きに対してのアプローチを行っていないためと考えられます。カイロプラクティックは、筋肉の痛みに対する治療だけではなく、痛みの原因である「関節の動き」に着目し治療を行うために、大きな効果を発揮します。
カイロでは治らない腰痛・・・すぐに医療機関へ
腰痛の中には、今までお話ししてきたことに当てはまらないタイプの腰痛もあります。腎臓や生殖器など内臓疾患を原因とする腰痛がそれにあたり、カイロプラクティック、針、マッサージ等の施術では効果がありません。
まずはどんなタイプの腰痛なのか?を正しく判断することが必要です。私たち"スパイナルケア"では、スタッフ全員が専門大学の教育を修了していますので、カイロ適応外であることを判断し、必要に応じて連携している医療機関をご紹介することができます。
「腰痛で悩んでいるが、どこに相談すればいいのか分からない。」そんな皆様からのご相談をお待ちしております。
岡大(スパイナルケア)
今回はパーキンソン病に対するカイロプラクティック治療の可能性について書きたいと思います。
一般に知られていますが、パーキンソン病は様々な症状を合併します。
有名なのに自律神経症状がありますが、その他にも鬱病や認知症などもあります。
調べてみると、反対に鬱病がパーキンソン病を合併する(2002年5月28日Medscapeより)とする論文もありました。
たしかにパーキンソン病ではドーパミンの他にアドレナリンやアセチルコリン(ドーパミンが出ないので作用は強くなりますが)とともにセロトニンの分泌量が減ると報告されています。また、几帳面で神経質な人ほどなりやすいという報告もあります。
私の祖母もそうでしたが、転んでしまい、圧迫骨折をしたパーキンソン病患者さんは、なぜか症状の進行が早くなるような気がします。やはり骨折による不安要素が軽いうつ状態を招き、症状の進行を早めているのかもしれません。
また、痛みによる交感神経の興奮はパーキンソン病の諸症状(静止時振戦など)を悪化させます。さらに動きの制限を生み、その制限で循環不良がおこります。循環不良は痛みを悪化させ・・・と悪循環を招きます。これらが重なって症状の悪化を招くのではないでしょうか?そしてそれらを断ち切ることで症状が緩和するのではないでしょうか。
ただ、施術法については私自身も試行錯誤している状態です。ですから「必ず改善する!」と声を大にしては言えません。
しかも、良くなっても身体は今までの悪い状態が正常であると誤認していますから、徐々に悪い方へ戻っていきます。ですから治療には時間がかかりますので、私も患者さんも根気が必要になります。
それでも、パーキンソン病に伴う自律神経症状や、体の傾きによる腰痛、関節拘縮などは改善の可能性が高いと思います。悩んでいる方は一度ご相談ください。
また、カイロプラクティック治療と同時に食事も大切です。睡眠・食事・運動は自然治癒力を向上させるのに必要不可欠です。特に食品に関してはかなり研究も進んでいるようです。たとえば鉄の過剰蓄積がパーキンソン病の元になる可能性があるという論文があります。(『Nature Genetics』2001年2月号)。その他にも人工甘味料のフェニルアラニン化合物やビタミンB6や胃腸薬、高タンパク食などが症状悪化の元になるという報告もあります。
今はネットでいろいろな情報が入ってきますが、中には眉唾物の情報も沢山あります。オススメはm3.comやCareNetなどの信頼できる医療系サイトで調べることです。
最後に、カイロプラクティックでも研究が進むことを切に祈り、この「カイロプラクティックとパーキンソン病」シリーズをしめさせていただきます。
柴田 泰之(スパイナルケア)
前回はカイロプラクティックとパーキンソン病についてのEBMを書きました。結論をいうとまだカイロ界ではEBMに基づく研究が乏しい状態です。
そんな発展途上の中でも、コロラド州のErin L. Elster, D.C.は、自身の治療院で過去5年間治療を行なった44人の多発性硬化症(MS)患者と37人のパーキンソン病(PD)患者のデータを調査したものを米国カイロプラクティック専門雑誌「Journal of Vertebral Subluxation Research」(2004年8月2日)に発表しました。
それによると治療期間は患者によって異なりますが、MS患者の91%、PD患者の92%で客観的・主観的共に症状が改善がみられたそうです。さらに、その後の悪化は無いようです。
私がこの論文に着目したのは、81人の患者さんのうち78人が首と頭になんらかの既往歴があったということです。
具体的な既往歴は交通事故が39人。スキーや、乗馬、サイクリングや、フットボールなどで首を痛めたのが29人。凍っている歩道の上か階段の下側への落下が16人です。(重複あり)
交通事故とパーキンソン病の関係でしっかりとした論文はありませんが、以前から多いのではないか言われているようですし、この論文を見る限りでは頚椎の既往歴とパーキンソン病は無関係では無いように思えます。
Erin L. Elster, D.C.は頚椎のみに施術を行っていますが、事故は全身症状ですので、後遺症が出る前に身体をしっかり治すことがパーキンソン病の予防に効果的と言えるのではないでしょうか。
まだ書きたいことはありますが、長くなりそうなので今回はここまで。
次回もパーキンソン病と代替医療や東洋医学に関わるお話をしていきたいと思います。
柴田 泰之(スパイナルケア)
私の祖母は57歳でパーキンソン病が発症し17年間、運動障害などで苦しめられました。
少しでも症状を改善したいと、住んでいた岐阜から、西にいい鍼灸があれば西へ飛び、東にいい東洋医学があると聞けば東に飛び・・・と、祖母も家族も大変だったのを覚えています。
そういう姿を見ていたからでしょうか、難病を抱えている患者さんの手助けが少しでもできれば。という気持ちを持ってカイロプラクティックを選びました。
そんな特別な思い入れのあるパーキンソン病。患者さんで診る機会があったので、カイロプラクティックでどうにか出来ないかと、いろいろ調べてみました。
まずはEBM(evidence-based medicine)について調べました。EBMとは「根拠に基づいた医療」という意味で、過去の論文や臨床研究などを研究し、それが本当に科学的根拠のあるものなのか。を調べたものです。
雑誌Neurology(Neurology 66; 976-982, 2006)によると「パーキンソン病治療薬として有名なL-Dopaは「病初期の治療として有用で、病状の進行を促進させることはない。ただし、神経保護作用は9ヶ月までの検討であり,長期的神経保護作用は証明されていない」と書かれています。その他にも「ビタミンEは対処療法として進められない。」「L-Dopaの治療開始を遅らせられない。」や「coenzymeQ10は神経保護作用はない。」などがEBMに基づいているそうです。
ではカイロプラクティックや他の代替医療はどうでしょう。
残念ながら鍼治療(東洋医学)とともに「充分なエビデンスなし」に該当します。
この報告をみるとカイロプラクティック治療では効果がないと思うかもしれません。ただ注意して欲しいのは「効果がない。」ではなく、「科学的に証明する研究論文が少なすぎる」という状態だということです。つまり、「非科学」的治療法ではなく「未科学」的治療法と呼ぶべきでしょうか。
実際にカイロプラクティックとパーキンソン病治療の論文は少なく、論文検索のPubMedで[chiropractic Parkinson]で調べたところElster EL.というカイロプラクターの論文しか出てきませんでした。
その論文の中身は・・・
パーキンソン病患者に対する上部頚椎カイロプラクティックマネジメントの症例報告
60歳男性 53歳の時、パーキンソン病を発症。所見として左下肢の筋拘縮、安静時振戦、不明瞭言語、記憶障害を伴っていた。 エックス線で上部頚椎のサブラクセーション(関節機能障害)を確認。9ヶ月にわたって上部頚椎のアジャストメント(関節マニピュレーション)を行った。神経生理学的には傍脊柱デジタル赤外線撮像をした。結果、客観的、主観的ともに改善がみられた。
PMID: 11050615 [PubMed - indexed for MEDLINE]
J Manipulative Physiol Ther. 2000 Oct;23(8):573-7.
といった内容です。
これはカイロプラクティック治療で改善がみられるという興味深い論文です。
では、次回はパーキンソン病に対するカイロプラクティック治療についてもう少し詳しく書きたいと思います。
柴田 泰之(スパイナルケア)
スパケア桜日記」にて、CA Cossyが【靴選びのポイント】についてコラムを書きました。
http://blog.livedoor.jp/spinalcare_sakura/archives/51272954.html
スパイナルケア